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明けましておめでとうございます 平成16年の年明けです。予断を許さぬ朝鮮半島情勢やイラク問題のことを思うにつけ、今年(西暦2004年)が日露戦役開戦百周年の記念すべき年であることと、120年前キノエサルの年に起こった甲申事変(西暦1884年、日本の明治維新にならって近代化を進めようとした金玉均らのクーデター)に歴史の巡り合わせを感じます。 現代の内外の情勢を判断する際に、わたくしは常に歴史的事象との対比を行ってまいりました。 ★朝鮮半島問題 我が国がかつてアメリカと干戈を交えたことすら知らない世代が出現しているようですが、日清・日露戦争ともなると果たしてどうなってしまうでしょうか。授業では端折られてしまったか、あるいはその戦争の目的や意義などは語られずじまいでしょう。ことによるとアジア侵略の歴史の始まりとして印象付けられているのではないでしょうか。 さきの大戦で我が国が敗れた後、朝鮮半島の北半分はソ連の陣営に組み込まれ、大陸支那は共産党政権により支配され、東西冷戦時代に入りました。北朝鮮が突然三十八度線を越えて朝鮮戦争が勃発してようやく、GHQ最高司令官マッカーサーはなぜ日本が満州を生命線と考えて行動していたかが理解できたと述懐しています。これまでの一連の占領政策はあまりにも日本の弱体化を狙い過ぎたとの反省がみられました。 そもそも李氏朝鮮の朝鮮という国号自体が宗主国たる明から与えられたものであることからもわかるように、永らく支那と朝鮮は宗属関係にありました。この関係は現在の中国共産党政権と金氏朝鮮(金正日が専制支配する北朝鮮)との関係に繋がっております。金氏朝鮮を陰で支えているのが中共です。 近年の北朝鮮による同胞の拉致問題や核兵器開発問題を考えるにつれ、今も昔も朝鮮半島の安定が我が国にとっての死活問題であり、戦略的重要性が不変であるとの想いが募ります。 ★日露戦争の目的・勝因・意義 日清戦争は近代化に遅れ不安定な朝鮮を巡る中華帝国・清国との攻防戦でしたが、軍隊の練度・規律に勝る我が国の圧勝でした。しかし戦後の下関条約履行はロシア主導のドイツ・フランス三国干渉により阻まれました。昨年のイラク戦争に対するこれら三国の態度がダブって見えます。『眠れる獅子』の清を破ったとはいえ不本意な結果になったことから日本人は「臥薪嘗胆」の合言葉でロシアに対抗心を抱きました。南からはヨーロッパの列強のアジア蚕食が迫り、北からは帝国ロシアの領土拡張の土煙が日本海沿岸(ウラジオストーク=「東の征服」)にまで押し寄せてきたことから、外務大臣小村寿太郎の意見書に基づき時の政府がとった外交・国防政策は、イギリスとの同盟関係樹立でした。この日英同盟を基盤としてロシアの南下を食い止める為の戦いが可能になりました。極東の『ちっぽけな猿』とみくびられながらも、白人大国のロシアを相手に、戦時国際法に準拠し武士道精神を発揮した堂々たる戦争は、中国(清)・インドなどアジア諸民族のみならずエジプト・イラン・トルコ・ポーランド・フィンランドなど多くの小国にも独立の希望と感動(「坂の上の雲」)を与えました。東郷艦隊の日本海海戦の戦果はロシア内部でも皇帝の権威を失わせしめ、皇帝への反乱が勢いを増しました。当時は明石陸軍大佐により外交機密費が確実に目的のために使われたようです。ために戦争終結が早まり、金子堅太郎子爵はハーバード大学の同級生のルーズベルト大統領に和平交渉の仲介を依頼し首尾よくポーツマス講和に持ち込めることができました。開戦から講和まで我が国の外交が華々しく見えた時代でした。当時の政治家・外交官が確かな国家観を持っていて、帝国軍人は名誉を重んじ、勇気と道義をわきまえた武人であった証です。 ★歴史の教訓 1.まず大陸支那とは一定の距離を保つことは、聖徳太子以来の古典的・伝統的外交基本方針です。古代は隋の煬帝が、現代は中共政権が相手です。華夷秩序に組み込まれぬよう警戒する一方で、日露戦争に辛うじて勝利したことを忘れ大陸に深入りしすぎてアメリカの仮想敵国になってしまったことの反省も大事です。 2.つぎに明治時代の日英同盟がパックスブリタニカという平和をもたらしたように、現代はパックスアメリカーナに沿った日米同盟が、安全保障の基軸です。ともに海洋国家であり、自由と民主主義の国家的価値を共有するからです。しかしながら恒久平和というものはないのであって、アメリカ一辺倒でもなく当然のことながら日本の独立性を確保したうえで、常に世界情勢を油断なくにらんでおく必要があります。 3.さらには明治新生日本の精神的拠り所の武士道精神と教育勅語による道徳心の復興をはかることです。日本人が見失いがちな日本的良さとは、正月映画でも好評な「サムライ精神」であり、台湾に今も残る「日本精神」です。エコノミックアニマル(成金趣味・経済至上主義・官僚主義)という汚名を返上し、ノブレスオブリージュ(慎み・品性・徳)を取り戻そうではありませんか。 ★温故知新 歴史に学ぶということで、わたくしの座右の銘としている言葉は「温故知新」です。現代の諸問題を解く鍵は歴史にあり、歴史を鑑としていけば過ちは少なくできます。国家も企業も失敗学の研究を盛んにしましょう。 歴史は人間の行動記録です。どんなに科学技術が進歩しても人間の行動の基は所詮変わらないのだと思えます。今の人が果たして経験を積み世界観が広くなり、立派な行動をしていると胸を張って言えましょうか。わたくしにはそうは思えません。 内外の難事に向かい国政を誤らないようにしていくのはわたくしたち一人一人が歴史に学ぶことが肝要です。先人の行動記録・その時代背景・精神を謙虚に調べ、いかに苦しみ考え打開して行ったか、善悪二元論・結果論にとらわれず共感と愛情を持ってうけとめることが歴史を学ぶ態度だと、新しい歴史教科書には書いてあります。 ★評論活動 ところがどうでしょう。今年元旦の朝日新聞の社説は、「日露戦争」を題材に取り上げながらも相変わらずの「反軍」非武装平和主義を吹聴しています。 『米国には今後とも最も大切な友人であってほしい。同時に我々は米国の危うさも直視し、時に腹を据えて直言したい。米国だけを頼みとするのでなく、アジアの平和づくりにしたたかな外交を展開していく。過去を振り返り、未来を思いつつ、それが日本のとるべき道だと考える。
』 なんといつもの朝日新聞らしい他人事のような偽善的な作文でしょうか。こんな虫のいい手前勝手で無責任な態度では、個人的レベルにおいても国のレベルでも良好な関係は保てません。「したたかな外交」は中身が伴っていませんし、直言するのはいつもアメリカ相手だけです。 大東亜戦争の敗戦後遺症かどうか知りませんが、我が国の関わった明治以降の世界史的事件までもが白眼視されることを黙認するわけにはまいりません。 こうした思いで今年も【押し返す保守】の立場から言論活動を行うことにしています。 以上長々と平成16年初頭に当たっての所感を申し述べました。 皆様方のご理解とご協力を切にお願いいたします。またどうぞ恙無くお健やかにこの一年をお過ごしください。 平成16年 正月 一会員より |