1776年、サウスカロライナ。アメリカを植民地として支配下に置こうとするイギリス軍が、かの地にも迫りつつあった。
かつてのフレンチ・インディアン戦争の勇士、ベンジャミン・マーチン(メル・ギブソン)は今は農夫となり、良き父親として平穏な日々を送っていた。妻エリザベスは既に亡く、メイドのアビゲールが子供たちの世話をしていた。ベンジャミンには7人の子供がいた。18歳の長男ガブリエル(ヒース・レジャー)、15歳のトマス、13歳のネイサン、11歳のサミュエル、8歳のマーガレット、5歳のウィリアム、そして口が利けない3歳のスーザン(スーザンが口の利けない理由が今ひとつはっきりしない)。
戦争の残忍さを身をもって体験したベンジャミンは、今では平和主義者として家族愛を大切にしていた。チャールスタウンの議会で和議を説くベンジャミンだったが、機運はアメリカ独立へ流れていた。住民投票で参戦が可決された時、愛国心に目覚めた長男ガブリエルは父の制止を振り切って従軍志願する。軍を指揮するのはかつてのベンジャミンの仲間パーウェル大佐(クリス・クーパー)、彼はベンジャミンに参戦を求めるが、ベンジャミンは「誰が家族を守る」と拒否する。「意気地なし」となじるガブリエルに「家族を持てば、今の気持ちが分かる」と諭す。
ガブリエルの参戦後、今度はトマスが志願してくる。それに対して「17になれば…」と苦痛な面もちで答えるしかないベンジャミンだった。やがて戦火はベンジャミンの家の近くにまで届くようになる。
伝令として将軍宛の手紙を 携えたガブリエルが負傷して家に立ち寄った日、傷ついた両国の兵士をベンジャミンの家で治療していたところに、冷酷なイギリス軍大佐、ダビントン(ジェイソン・アイザックス)が現れ、アメリカ軍兵士を虐殺、さらにガブリエルにスパイ容疑をかけて連行しようとする。ベンジャミンが手出しできないままに見送ろうとしたその時、トマスが阻止を図り、ダビントン大佐に射殺されてしまう。
長男を連れ去られ、次男を射殺された衝撃に打ち震えながらベンジャミンは遂にある決意を固める。火をかけられた家に飛び込み、銃と斧を抱え出すと、幼い2人の息子を連れ、森の中でイギリス軍に奇襲攻撃をかける。あっという間に20人の兵士を殲滅、血まみれになりながら相手兵士の骨をうち砕く父の姿に息子たちは戦慄を覚えるばかりであった。
息子を失った悲しみと怒りを胸にベンジャミンは旧友パーウェルを訪ね、兵士に志願する。コーンウォリス将軍のもと、イギリス軍はますます勢力を強め、パーウェル率いるアメリカ軍はじり貧の状態。フランス軍の援助が来るまでの半年間、持ちこたえることができるかが問題だった。
ベンジャミンはガブリエルを配下に置き、民兵を組織してゲリラ戦を展開する。イギリス軍の妻子や友人を殺された者たちがベンジャミンの下に集う。森の中から突然現れてはイギリス軍を殲滅して消え去る彼らは、いつしか“ゴースト”と恐れられるようになる。一人ダビントン大佐は“ゴースト”に敵愾心を抱き、彼らを罠にかける。18人が捕らえられ、まさに絞首刑に会うというその時、白旗を掲げたベンジャミンがコーンウォリス将軍を訪ねる。そして、人質(実はただの人形)交換を持ちかけ、まんまと成功する。
激怒するコーンウォリス将軍に「自分の好きなようにやらせてくれ」とダビントン大佐が進言する。そして、ダビントン大佐による虐殺が展開されていく。標的にされたのは、ベンジャミンの妻エリザベスの妹シャーロット(ジョエリー・リチャードソン)の屋敷だった。そこにはベンジャミンの子供たちが預けられていた。命からがら逃れたシャーロットらだったが、家には火が放たれる。遅れてやってきたベンジャミンらは彼女らを海辺の黒人プランテーションに避難させる。
ダビントン大佐は次々と暴虐の度を深めていく。民兵に参加した者たちの家々を焼き払い、家族を殺して回るのだ。戦意を失いかける兵士にベンジャミンは1週間の休暇を与える。
再び、海辺のプランテーション。ガブリエルと花嫁アン(リサ・ブレナー)の結婚式が執り行われる。子供の頃に出会った2人は今では互いに愛し合うようになっていたのだ。一方、静かな愛を育て続けてきたベンジャミンとシャーロットも…。
旅立ちの日、口がきけなかったスーザンがベンジャミンに「パパいかないで」と叫ぶ。「必ず戻ってくるから」と答えるベンジャミンに、ガブリエルが告白する「お前も家族を持てば今の気持ちが分かる、ということがようやく分かりました」。
ベンジャミンの軍が再集結をしている頃、チャールスタウンに戻ったアンらを待っていたのはダビントン大佐だった。彼は市民を教会に閉じこめると、火を放って皆殺しにしてしまったのだ。かけつけたベンジャミンらができたのは、亡骸を集めて墓を作るだけだった。しかし、愛する妻を失ったガブリエルは数名の民兵を率いてダビントン大佐らに奇襲をかける。ダビントンの精鋭に苦しめられながらもついにダビントンを倒したかと思われたその時、ガブリエルはダビントンの凶刃に倒れるのだった。
先に次男を失い、長男までも失ったベンジャミン。もう戦う意味すらなくしていた。ふぬけのようになったベンジャミンに、コーンウォリス将軍との最後の戦いへの参戦を求めるパーウェル大佐。しかし、ベンジャミンは力無く首を横に振るだけだった…。そして、シャーロットの下に戻ろうとガブリエルの荷物を片づけようとした時、彼はそこにガブリエルが繕ったアメリカ国旗を見つける。ガブリエルの思いを果たさねば…。ベンジャミンはその旗を掲げ戦場へと向かう…前半の家族を失った怒りと悲しみからイギリス軍兵士を殴り殺すベンジャミンの姿に感動すら覚えたおいらだった。この映画、国を守るというよりは、家族を守るという、より個人的なレベルの話として描かれるはずだったのだろうが、後半、その辺がぼやけてしまった感じになったのが残念で仕方がない。そのために、3時間近いこの作品、ちょっと辛いものを感じてしまった。
2000/9/16(土) WMC高岡